高所作業者の墜落を阻止するため、そして、墜落時に人体を守るための保護具です。
安全帯は、「ベルト(帯)」と「ランヤード(命綱)」を組み合わせて使用します。
安全帯にはどんな型があるのか・・・
ここで紹介する安全帯は、建設・土木・造船・橋梁・鉱山・工場・プラントなどでの高所作業でお使い頂く型になります。
安全帯は「A.胴ベルト型」と「B.ハーネス型」に大別されます。
A.胴ベルト型安全帯について・・・
胴ベルト型安全帯は①胴ベルトに②ランヤードが装備された型で、国内で数多く使用されている型です。
更にランヤードのタイプも多種多様で、大別すると②-aロープ式、②-b巻き取り式に分けられます。
①胴ベルトには、バックルの形状①-aやベルトの巾①-b・長さ①-c・厚み①-d等様々なタイプがあります。
①-a バックルは、ワンタッチタイプとスライドタイプに大別されます。
また、スライドタイプにはスチールを使用したスタンダードとアルミを使用した軽量タイプがあります。
①-b 長さはほとんどのメーカーが120cmをMサイズ標準とし、120cmより長いLサイズがあります。
※メーカーによっては、10cm単位で体に合ったサイズを製作してくれますが、
安全上の理由により140cmを上限と定めてます。
①-c 巾は、一般的な50mmと、幅広の60mmの2サイズが普及してます。
※ワンタッチタイプはバックルの形状の都合により50mm巾のみとなります。
①-d 厚みは、一般的な2.0mm厚と、固くてコシがある2.4mm厚の2タイプが普及してます。
※胴ベルトに装着する工具が重くなる業種ですと、2.4mm厚を使用されるケースが多い様です。
②ランヤードには、ロープ式②-aとストラップ巻取式②-bの2種類があります。
②-a ロープには、合成繊維を編み込んだ三ツ打タイプと八ツ打タイプに加え、
墜落時の衝撃をロープが緩和する、衝撃吸収タイプ等があります。
②-b 巻き取り巻取式とは、
使用する時にストラップを引き出し、使用しない時はストラップを収納するタイプです。
B.ハーネス型安全帯について・・・
ハーネス型安全帯はパラシュートやバンジージャンプ等に使われているような構造のベルトで、全身で装着します。
その為、墜落阻止時には腿・腰・肩など複数部位に衝撃を分散して身体を保護します。
安全性はもとより、墜落阻止時の身体へのダメージ軽減についても考慮された安全帯です。
ランヤードは、背中に装備された取付具(D環)に取付て使用します。
安全帯には腰部に装着する「胴ベルト型」と全身で装着する「フルハーネス」の2種類に分ける事が出来ます。
「 胴ベルト型 」は、コンパクトな設計の為、動き易く、作業性が良いと言われています。フルハーネスタイプは全身での装着となりますので、若干重くなり、作業者に負担が掛ります。
しかし、墜落事故が発生した場合、1本吊りですと腰部に衝撃が集中する為、 作業者の体に大きなダメージを与えてしまいます。
一方、「フルハーネス」は全身に衝撃を分散する事が可能な為、作業者に与えるダメージを最小限に抑える事が出来ます。
近年では、作業者を墜落事故から守る為にフルハーネスが急速に普及してます。
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![]() 近年では、フルハーネスが主流 |
近年では大手ゼネコンを中心に、「フルハーネス」と、「二丁掛け(ダブルランヤード)」の使用義務化が推し進められるようになっております。理由は明白で、現場作業者の安全を守るためです。
宙吊り時の衝撃を分散する「フルハーネス」と、
交互にランヤードを掛けかえることで、ランヤードが掛かっていない状態を防ぐ「二丁掛け(ダブルランヤード)」が 自身の身を守る意味でお勧めな組み合わせになります。